その1 音楽と響きと…


●鼓膜間の距離
●音楽とは
●響きを!
●残響付加装置の開発
●魅力的な音
●バイオリンの音
●デジタルの恩恵
●SREV1

音楽を響きのあるホールで聴くと美しくきこえます。何故でしょう。この原因について私は一つの考えを持っています。
世に[羞恥心は防衛本能である]と言われています。つまり、人が「恥ずかしい」と感じること、例えばトイレ、セックスなどは人目にふれては恥ずかしいものです。大方、隠れて行います。住居の無い原始時代、これらの行いをしている時は、無防備になり弱い状態だから、他の攻撃に対応できないし、敵に弱みをも見せたくありません。だから、「恥ずかしい」感覚が生まれ羞恥心になった訳です。

●鼓膜間の距離
このように我々の心の奥底には、先祖から受け継いだ本能のようなものが多くあります。
さて、音は原始時代ではどんな役割をしていたでしょう。
直接、響きの話ではありませんが、今はステレオが常識です。録音が出来るようになった最初はモノラルでした。ステレオはご存知のように左右二つのスピーカーから位相、時間差などを持たせ収録された音が出てきます。それらは、二つのスピーカーの前で聴くと、何だか空間を感じさせます。しかし、この二つのスピーカーでモノラルの音楽を鳴らしてみますと、音は二つのスピーカーのど真ん中から聞えます。ヘッドフォンで聞こうものなら悲惨で脳の芯で音が鳴ります。空間を感じるどころか妙なものです。
そこで、例えば左のスピーカーから出る音を1000分の1秒遅れて出るようにしてみます。すると、不思議なことに音が右から聞えるのです。左からも右からも同じ音量の音が出ているのに、右からしか出てないように感じるのです。(ヘッドフォンで聞いても同じです)
では、最小でどれだけの時間遅らせたら右に動くだろうかと確かめました。細かい話になりますが、結局44100分の10秒から44100分の13秒で右から聞こえるようになりました。この短い時間に音はどれだけ走るであろうかと計算してみました。音の秒速を340mとしますと

13÷44100×340×100cm=10cm

です。

これは、人の顔の両側に付いた二つの耳に音が到達するタイミングが、こんなに短い音の移動時間を感知していて、より早く音が来た方向を察知しているのです。余談ですが、この移動時間を察知する最小距離が10cmになる人の頭は、ほぼ大きめでした。頭の小さめな女性で8cmになりましたから、10cmから8cmなる長さは、事によると「両鼓膜間の距離」ではないかと考えています。ほんの思い付きですが…。
さて本題にもどります。原野で原始生活をした先祖の血は、私たち現代人にも流れています。原始生活では、身の危険を避けるのが最も大切です。危険が来る信号をより正確により早く察知しないと殺されます。その為に、耳は二つあり音がより早く来た方向を察知するように出来ているのです。このように、思わぬ能力を我々は持っています。
では、この原始時代をイメージした考え方で、本題である響きのある会場で音楽が美しく感じられる理由を考えます。

●音楽とは
ここで少し私的な経験のお話になります。私は昭和??年に伊勢湾台風を体験しました。住居の南東方向の土壁が叩き付ける風雨で溶けて破れパニックです。部屋の中にドカンドカンと土が落ち、風雨が飛び込んできます。妻に背負われた当時赤ん坊だった三男の顔のあたりに土が落ちてきます。「死んだかな。この子は…」と諦めた記憶があります。
この台風がもっと酷くなるのか、ピークを過ぎたかを知りたく、ラジオをつけました。その時にラジオからクラシック音楽が流れていました。つまり、音楽を流してその合間に台風情報という訳です。自分の身が危険に晒され情報を待つ私に、音楽は邪魔であり厄介であり煩く「こんなノイズのようなものを俺は好きだったのか!音楽とは何だ…?」
やがて台風は去りました。何故か、終わった直後には都市ガスと水道が正常に出ました。風呂に入れたのです。すると、依然として続いて放送されていた音楽が、いつものように美しく聴こえるのです。ん? 音楽とは何だ…。
つまり、音楽はピンチの時が似合わない質のものです。攻撃を受けているのに適したものではないのです。危険な場面で音楽を美しく聴ける訳はありません。 危険でない場所とは、安心できる場所を意味します。音楽が美しく聴こえる為には安心な状況が肝要であると私は考えています。
再び、原始生活を想定してみます。
四方が見渡せる原野は、全ての方向から危険がやってきます。命を狙う敵があらゆる方向からやってくるのです。注意は常にし続けなくてはなりません。そこで、一つの方向に壁があったとしましょう。取り敢えずその壁の方向からの攻撃は少なくなります。壁があることは安心です。壁を背にしても大丈夫です。その安心である壁からは音が反射してきます。つまり、音が反射してくる方向は安心であると遺伝子に書きこまれたでしょう。
壁が二つになり、三つになりして、天井も含めて五つになると、もうそれは部屋です。完璧に安心です。その部屋とは、響く場所です。 つまり、安心感が得られる場所が似合う音楽が、響く部屋で美しく聴こえるのは当然です。

●響きを!
音楽の録音に携わった初期に、西欧の録音のような音がとれなく困った覚えがあります。最高の録音機を買えば成功するかと、今では考えられない高価な録音機を買って試しましたが、ことごとく失敗。すこしも美しい音はとれません。何とかホールの響きをとり込めないかと、マイクをあらゆる場所に置いて試しましたが、成功していません。理由は、当時の日本には多目的ホールばかりあり、現在のような音楽専門のホールがないからだったのです。結局、響き、つまり日本語では残響、英語ではReverberation、を付け加えなければ、西欧の音にならないのが明白になりました。 その頃、例えば響きのない小形スタジオなどで録音する場合、小さめな良く響く部屋(これを日本ではエコールームと言っていました。が、エコーは反響であり、残響はReverberationです。エコールームなる言葉は日本製英語です)を響かせる方法と、金属を振動させて響きを得る方法がありました。
金属を振動させる方式に、EMT なる会社の、鉄板を駆動する大掛かりなものと、AKGなる会社の、バネ(スプリング)駆動する、これも結構大きいものとがありました。どれも高価でしたから、今でも気の迷いでなかったかと思うのですが、当時のエレクトーンは、スプリング駆動の小形響き装置を装備していましたから、もっと良いものを作れないかなあと思い、試作をはじめました。
横に長いスプリングに或る仕掛けで巻き方向に回転するように音響信号を与えると、スプリングの中に音響信号が長い時間残留することは昔から知られています。

●残響付加装置の開発
スプリングはご存知のように伸び縮みします。ものの本によれば回転運動もしていると書かれています。この二つの振動が、共に固定された両端で反射を繰り返すので、音響信号が残留するのです。これが、音がのびて聞こえる原因です。
しかし、ここで困った問題が起きます。伸び縮み運動が両端で反射を繰り返すのでしょう、ピヨン、ピヨンという音がするのです。これが曲者で、ドップラー効果(救急車のサイレンが近付く時に音程が高くなり、遠のくに従い低くなる現象)を伴い、これが元で音が濁り気持ち悪く音楽になりません。後に、天恵のような着想で得た特殊な構造が効果あると知り、特許の申請をしていますが、その申請の準備の調査で、世界的に数え切れない特許がなされていて驚きました。
伸び縮み運動が吸収出来て、回転運動が自由である振動様式を探せないだろうかと、毎日毎日スプリングをいじっていました。
或る日の夜更け、私は生涯で経験したことがない妙な心理状態になりました。何だか、自分がスプリングの中に入ったような……。あっ。そうだ。これなら楽に動ける!意識できない瞬間の着想です。これが、後に日本とアメリカで特許になった構造です。
この構造を簡単に説明します。スプリングの途中を指で捻って曲げ直線状にします。それをスプリングの巻き径の外の上方向に巻き方向に対しほぼ直角に出し(特許申請ではこれを立ち上り部と称しています)上部に横方向の橋を作り、再び下方に直線部のまま戻しスプリングの巻きに戻す訳です。この構造は、伸び縮み運動には「より柔らかい」部分で伸び縮みの力を吸収します。立ち上りの長さが大き過ぎなければ、回転運動は影響を受けません。結果として、スプリング本体で或る周波数以上の伸び縮みの力を吸収しているから両端の反射で得られる信号にピヨン、ピヨンという音が出ないという優れものです。世界的に過去に思い付かれなかった、という素敵な構造。ここが、特許性ありとなったのですが、製品にする為の問題はそんな簡単なもので終わりませんでした。

●魅力的な音
伸び縮みによるピヨン、ピヨンは大方出ませんが、何故か「不快な音」が時々するのです。
不快な音は耳を突きます。私は若い頃Violin、Violaの演奏者でしたから、それら弦楽器には特別の感覚があったのでしょうか、弦楽器の高音域でたまらない音がします。問題は「加工部にある!」と立ち上り部の長さ、橋の長さ、加工部にいたる巻きの密度に神経を集中させ調整します。集中力勝負ですが、やがて、不快な音が消滅します。そうすると、驚くべき現象にであいました。

不思議なことに、超魅力的な音に変身しているのです。

この不快な音を出す素材は、スウェーデン製のギャルピタンというピアノ線でした。このスウェーデン製のピアノ線というものが、日本製のピアノ線と全く異なった性質を持っていました。ハードと言うか、荒々しいと言うか、制御し難い材料でした。焼きなましの電気炉の温度が日本製品に比べ100度高かったし、必要な時間も倍くらいでした。だから、欠点も大きく現れたのでしょう。
一般的な見方で、ここで何より見過ごせないのは、それが持つ欠点を無くしたら、残ったものに魅力があったと言うことです。普通、欠点を無くしたら面白味も無くなる場合が多いでしょうに、この場合、魅力が出たのは、材料が持っていた素質が多くの可能性を秘めていたと見るべきです。競走馬も荒れた馬が良い。とか、人間でも魅力的な仕事を成し遂げた人の幼少時が優等生でなかった話は珍しくありません。 魅力的なものは、蓄積、つまり加算で出来る可能性は少なく、荒々しいものであっても、最初からリッチな素質があり、それを制御するものではないか、と思い、荒々しいものの中に見えてくる魅力に取り付かれると言う体験で、残響付加器(リバック/REVAC)の開発は終始しています。この行いを通じ私は一つの肝腎な感覚を得ました。

人が不快に思うものは、その人の存在にマイナスに働くもの、時に敵であるものかも知れないものであるのは常識です。不快感の背景には危険感がある訳です。 しかし、魅力的なものを作り出すには、先ず危険な領域に入った方が良いかもしれません。少なくとも私は、危険である限界にまで自分を持っていき、危険を見極め、その限界の少し安全な場所に大変な魅力が潜んでいると考えています。自分自身をも含め、若し本質が良いものであったなら、二つとない魅力的なものを手に入れられるでしょう。人が魅力を感じるものとは、そう言う限界点を見極めて、初めて姿を現すものです。
危険の隣に危険が全く無い状態は考えられません。だから現実は、危険を生々しく感じさせるか感じさせないかが肝(キモ)です。つまり、危険を生々しく感じさせないで、危険と具体的にイメージ出来なくて、(危険?らしきものを)良いと感じさせることが出来れば、心を動かされ最高でしょう。そこに魅力的な音が存在している可能性が多いのです。

●バイオリンの音
何故バイオリンは魅力的なのでしょう。私は或る楽器音響学の本に、驚くべきバイオリンの特質が書いてあるのを読みました。そこには、バイオリンの高音域、つまり、E線が出す高音域にその特質が現れると書かれていました。その特質とは、「高次数の倍音の音程が上下しいている」と言う驚くべき記載です。つまり、バイオリンの高音域倍音は音痴になっている!?」しかし音痴の心配はありません。私は正確な周波数を知りませんが、恐らく3000Hzあたり以上は、人は音程を感じないからです。〔余談ですが、トライアングルは何調であっても同じ楽器でチンチンです。超低音も同じで、音程に神経質なのはティンパニーまでで、大きい太鼓は何調でも同じ楽器を使っています。超低音も音程を感じないからです〕さて、この音程を感じない高音域での音程の上下はどんな役目をするのでしょうか。その本には、倍音の上下の周期は楽器個々に個性があり、一定していないと書かれています。皆さんは、交響楽団で多人数が一斉に弾くバイオリンの音に、高い方で何やら「シャラシャラ」した音を感じませんか?

この音が、高音域倍音の音程の上下が、お互いに多数交じり合い干渉した結果なのです。

私は、若い頃から、録音でこれの処理が最大のテーマでした。昔はアナログ録音でしたから、バイアスという厄介な信号に、このシャラシャラが干渉のような現象を起こし、音が濁りバイオリンが透明でなくなります。今はデジタルですから、この点では全く問題なく楽ですが、これは何なんだ!と、考えされられました。アナログの時代ではこの感じが気になり、嫌いで、処理にいつも困っていました。この音が嫌だからと言ってこの音の周波数あたりを少なめにすると、魅力が減ります。増せば益々刺激的になり、心にやさしい音楽を欲しい場合にとても困ります。結局、この度合いをうまくコントロール出来たかどうかが、録音物の魅力度を決める鍵でした。 この3000Hz 以上の領域は人にとって何であったかを、原始生活の場をイメージして考えましょう。
例えば、猫がいます。シッ!と言ってみます。間違いなく猫は身構えます。人に向かってシッ!と言ってみてください。碌な結果になりません。シッ!は危険を感じる信号だからです。シッ!は、3000Hz 以上の領域に存在する「立ち上りの鋭い音」で、鋭い故に人の警戒心を刺激し、不快感を与えてしまうと考えられます。

バイオリンは、この危ない領域の音を、楽器特有の揺れでストレートに感じさせない発音をしているという優れものだったのです。つまり、あからさまに危険を感じさせないで、危険な領域の音を出しているいう特別な楽器!これがバイオリンです。美しいものは、時に危険感の隣に居ると私は残響器開発で知りました。バイオリンが楽器の王様でいられる理由は他にも多々あるでしょう。しかし、あんなに費用がかかっても、多人数の弦奏者を雇ったオーケストラが存続できるもとは、この性質があるからです。若し、バイオリンがいないと、諸々の楽器とシンバルやトライアングルの音はかけ離れて聞こえます。バイオリンの高音域は、人類が手に入れた最高であり、最大に珍しい役割をしているものです。

●デジタルの恩恵
アナログ録音時代のビニールレコードにくらべ、CDの音は何か面白くないと言うお話は現在も世にあります。マスターCD-R を元にしCDプレスをしたら、何故か音色?雰囲気?感じ?が変わり、多量のCDを作りなおした事があります。世の常識では変わらない筈なのに、工場技術陣も変わることがある事を否定しません。変にデジタルは不安です。しかし、録音にしろ、処理にしろ、アナログ時代から見れば夢のようで、一度経験したら戻れません。録音にTEAC社のTASCAMのDAシリーズを使っています。テープは小さく安いし、録音時間が長く、録音された場所の時間の表示が正確(当たり前ですが…)で、エラーが少なく、言うことありません。編集に使っているdigidesign社のProToolsに至っては、編集の精度、速さなどアナログの比較ではありません。アナログの数十倍の能力でしょう。これらが手軽に使えるので今の量の仕事が、今の人員とスペースで出来るわけです。だから、デジタルに何か隠れた欠点があるらしいのを考えないようにしている自分は、何やらスープの素みたいなもので、料理を作る板前さんになった気分です。まあ、堕落でしょうか?便利、迅速、を知るのは堕落?
しかし、今年になって、もっと驚愕のデジタル機器を見ました。
それは、YAMAHA社のSREV1なる残響信号を得るための変な機器です。これと同じ動作をするものはSONY社からも出ています。
これらは残響音を出します。しかし、従来の残響発生装置とは全く違います。大昔には響きのみを取り出せる部屋(日本製英語でエコールーム)を作った話もありますが、機器としては鉄板に始まり、スプリングを経て、現在はデジタルリバーブが究極の製品である感じがしています。が、このSREV1なる製品を体験し、便利、迅速、などの面でなく、デジタル技術発達の恩恵に浴し、この機器に出会えて良かった、デジタル技術は素晴らしい、と実感しています。

●SREV1
では、この機器は何が出来るものでしょうか。
例えば、西欧の響きが素晴らしいと言われているホールに、スピーカーとマイクとこの機械とを持ち込んだと書かれています。そのホールの中で、或る音響信号〔インパルス又は短いスウィープ〕を鳴らします。スピーカーの位置は恐らく演奏場所、つまり舞台でしょう。マイクは色々な場所に置かれるらしく、何種類もの信号が記録されています。
実際に、この機械に音楽を入力しますと、響きの音が出てきます。この響き音は、その音楽がこのホールで演奏された場合の響き音だ、とメーカーは言うのです。カタログを見た範囲では、先ず「本当にホールを再現できているのか?」いう気持ちになります。スピーカーもマイクも真面目にインパルス又は短いスウィープを鳴らしたり、収録したり出来るのか、また、それらが置かれ場所が響きのみを採取するのに適切であったかいう疑問です。
私は、20年くらい前にスプリングで残響付加器(REVAC 16S・REVAC 6A,6Bなど)を作っています。デジタルリバーブも会社のスタジオに色々持っていますが、一台のREVAC 16Sも装備しています。16Sが出す響きは、他のデジタルリバーブと違い、艶のようなものを感じさせる音になり、わが社の音が独特である?のは、この16Sのせいが大きいと考えていました。
しかし、機械ですから、やがて何時か寿命が来て壊れます。もう、あんな集中力を持って作れないし、それにこの16Sは、何年も使っている間に、今の状態になった感じを持っていますから、仮に作り直したとしても、良いものになる保証はありません。
SREV1の能書きを雑誌で見て「事によるとこの機器は16Sの響きを保存するかも知れない」と思い、メーカーに問い合わせました。
やがてデモ機が到着しました。
結果は、「素晴らしい」の一語に盡きます。16S本体と全く区別できない動作をします。16Sに、インパルス又は短いスウィープを入れた反応を取り出した信号、を平均化させる機能もあり、16Sが持つ欠点のようなものをもカバーします。凄いものです。
これ以外の残響器、つまり今までのものは、アナログ、デジタルの区別なく、残念にも「真似」です。しかし、これは「真似」ではありません。 この機器の信号のデータをとる為の入力信号はインパルス、又は短いスウィープです。インパルスなる信号は、短い時間の矩形波です。これは、無限大の次数の倍音を持っており、 全周波数を一様に持っている信号です。つまり、機器のインパルスに対し応答し出力した信号を解析すれば、世にある全ての音に対する対応がわかると考えられているものです。

スウィープなる信号は、低い数ヘルツの周波数を出発し20000ヘルツまで順次に周波数が上がる信号で、サイレンみたいな感じの信号です。これも、可聴範囲を一様にカバーしています。響くものの特性を測定するのに、特定の周波数で行うのは、響きがその周波数で定在しますから、現実的に間違いを起こします。だから、インパルスに対する応答を解析するのと、スウィープの応答のレベルで特性を見るのは常識です。しかし、こんな応答信号を元に、どんな理論で、このように素敵な機能になるかを、今一つ理解していない私ですが、こんな凄いものが出来る「デジタル技術」に感謝です。

この機器にはCD-ROMが付属しています。その中に、例えば、コンチェルトヘボー ラージホールなどの西欧有名ホールの残響データが数多く入っています。REVAC 16Sの全ての反応がREVAC 16Sと変わらないことを体験した私は、これら西欧有名ホールのデータに間違いがあると考えられません。それらのホールの響きがスタジオで展開出来るのです。
これは、実に恐るべきことで、間違いなく、この手の製品は残響器の究極のものです。
この時代に生を得た私は幸せです。

このホームページに関するご意見、ご感想、その他、何なりとメールをお寄せ下さい。
メールはchuzo[アットマーク]nagoyadisk.co.jpまでどうぞ。
※メールご送付にあたっては[アットマーク]のところに@を入れて下さい。スパムメール対策です。よろしくお願いいたします。